風が運ぶ菓子
「北の菓子 菓風」は岩手県にある和洋菓子メーカーです。
現在の店主、田代の実父である創業者が残したブランド名、 “北の菓子”を受け継ぐ形で誕生いたしました。
“北の菓子”に込められた想いと、 お菓子を作ることが何よりも好きだという自分の気持ち。
ふたつの心が重なって生まれたこのお菓子たちを、 今は亡き父が風となって、日本中に運んでくれますように。
自分が工場を継ぐことを決心した際に加えた“菓風”という名前には、 そんな覚悟や願いが込められています。
ハンディーを背負っての出発
フレッシュで鮮やかなフルーツがたくさん乗った、 フォトジェニックで華美なスイーツはここにはありません。
“北の菓子”が遺してくれたのは、 高温のフライヤーやボイラーがたくさんある夏場には40°cを超える工場。 温度や湿度、その他さまざまな要因により、 生の果物や素材をそのままの形で使うことはできませんでした。 最先端の設備も、オシャレな店舗も、派手な商品もない。
もしかしたらそれは大きなハンディーなのかもしれません。
でも、だからこそ、私たちは菓風を立ち上げるときに すべての技術を「美味しさ」だけに注ぐことができました。
たったひとつしかないこの工場で、 目の前にあるお菓子と朝から晩まで向かい合う日々が、 菓風というブランドの感動や感性を磨いてくれました。 今ではそう確信しています。
お菓子の心
お菓子作りにおける“技術”とは、美味しさの表現方法のことだと思います。
“心を込めた技術を味わっていただくお菓子”という 現在のコンセプトにたどり着くことができたのも 限られた設備の中で試行錯誤してきた日々があったからこそです。
こうして、見た目でごまかしのきかないシンプルなお菓子に お客様に喜んでいただきたいという真心と 今までの修行でコツコツと培ってきた技を込めて “北の菓子”の人気商品だったシンプルなオムレットと大福から 菓風の物語がはじまったのです。
私たちは今日もこの岩手の地で、先代の遺した工場で、 召し上がられたお客様の笑顔を想像しながら ひたむきに「本物のお菓子」を作り続けています。
ありがたいことに最近ではインターネットでのお取り寄せも大変ご好評をいただいており、 岩手だけではなく全国各地のお客様の元へと菓風のスイーツをお届けできる機会も増えてきました。
“北の菓子”を受け継いだ頃には、想像もできなかった未来。
すべては菓風に関わって下さった皆様のお陰であると思っています。
菓風のスイーツがみなさまの日々の暮らしのなかでほっと一息つける休日のおやつとして 大切な方へのおもてなしの品として明日もまた頑張るためのご褒美としてささやかな彩りを添えることができたのなら、 お菓子の作り手としてこんなにも嬉しいことはありません。
どこでも、いつでも、気軽になんでも買えるそんな今の時代にこそ価値がある「時間をかけてもお取り寄せしたいと思える」 菓風のスイーツを、ぜひご賞味ください。