田代製菓

和菓子の「水菓子」とは?その語源や由来について解説

その昔、水菓子とよばれていた果物

水菓子の語源や由来について

この記事を読むための時間:3分

「水菓子」というと、みなさんは何を連想されますか。水ようかんや水まんじゅう、くずきりなどを連想される方が多いのではないでしょうか。アイスを連想する人もいるかもしれませんね。この「水菓子」について、本当は何なのかを知っている人は、どうやらあまりいないようです。果たして「水菓子」とは一体何なのでしょうか?今回は普段頻繁に口にするにも関わらず、その実体についてあまり知られていない「水菓子」についてお話していきます。

水菓子の一般的な捉えられ方

「水菓子」といわれると、人によってはいろいろなものを連想してしまうようです。水菓子の「水」という文字がみずみずしさや「涼」などを連想させるからか、特に清涼感のある和菓子を思いつく方が圧倒的に多いのだとか。果たして水菓子とはどのようなものなのでしょうか?水菓子といわれてよく挙げられるものをいろいろと集めてみたので、ここでご紹介します。

水ようかんやわらび餅などの和菓子

水菓子といわれて、圧倒的に名前が上がるのが水ようかんや水まんじゅう、わらび餅などの透明感や清涼感がある和菓子です。「水」という共通の文字が名前の先頭についているからか、水ようかんや水まんじゅうなどは特によく名前が上がります。しかし、実際のところこれらは全て水菓子ではなく、「生菓子」と呼ぶのが正しいようです。

アイス

水菓子とは何か、と尋ねられると「アイス」と答える方も多いそうです。特に多いのが、かき氷。確かにかき氷は水を凍らせて削り、上から甘い蜜やあんこをかけて食べる、いかにも水菓子という名にふさわしい食べ物に感じます。地域によってはかき氷を「氷水」と呼ぶ所もあり、もしかしたら水ようかんや水まんじゅうなどよりも水菓子のイメージに近いかもしれません。

 

しかし、正式な分類でいうと、かき氷をはじめ、アイスは全て「氷菓子」であり、残念ながら水菓子ではない、というのが事実です。

果物

水菓子とはズバリ、果物のことであり、果物が水菓子と呼ばれ始めたのは江戸時代である、といわれています。ちなみに関西ではその当時果物のことを水菓子という風習はなく、水菓子は主に江戸で使われていた果物の呼称になります。

水菓子の本当の意味は?

水菓子とは本来果物のことを意味します。元々は焼き菓子や上生菓子などの「菓子」と区別するための言葉として江戸時代に生まれました。現代においてはみずみずしく、涼を感じさせる水ようかんや水まんじゅうなどの和菓子を水菓子と呼びがちですが、正式には違います。

水菓子の語源、由来

水菓子という言葉の語源や由来を語るためには、遥か弥生時代以前までさかのぼらなければなりません。その当時、食事以外の軽食を人々は「くだもの」と呼んでいました。弥生時代に漢字が伝来すると、「くだもの」は「菓子」という字が当てられ、その後も食事以外の軽食を「くだもの」や「菓子」と呼ぶようになります。実際に果物が「水菓子」と呼ばれ始めたのは江戸時代で、砂糖や小麦粉などを使用して作る菓子と区分するための言葉として、江戸町民の間で生まれました。

 

ちなみにこの時代、関西において果実類は「果物」と呼んでいたそうです。つまり、「水菓子」とは江戸時代に生まれた、江戸の町限定の言葉であった、ということになります。

水菓子とは何かを知ろう

水菓子とは果物のことであり、言葉のイメージからか、さまざまな生菓子や氷菓子に捉えられがちですが、実際には違います。水菓子とは何か、しっかり知ったうえで和菓子についての会話ができると、それだけであなたの印象にも箔が付くこと間違いなしです。水菓子についてきちんと知っていれば、知識として蓄えることができますし、何より実際に召し上がる際にもよりおいしく感じられるかもしれませんね。

北の菓子 菓風

北の菓子 菓風

和・洋とりまぜた新しいお菓子を通じて、世代を超えた家族の団欒・笑顔の場を提供します。

屋号 有限会社 田代製菓
住所 〒021-0041
岩手県一関市赤萩字亀田5-1
営業時間 平日:9:00~15:00
定休日 土・日・祝
代表者名 田代 幸彦 (タシロ ユキヒコ)
E-mail info@kitanokashi-kafuu.com